2015年4月29日水曜日

[業務知識][生命保険]解約返戻金

 単に「解約金」「返戻金」ともいう。保険を解約した際、契約者に払い戻されるお金のことを指す。従来型の生命保険は30年、40年と保険料を支払い続けると、解約したときにこれまで支払った保険料の合計よりも大きい金額の解約時返戻金を受け取ることができた。今の時代にそのような話を聞くと新手の詐欺にしか聞こえないが、これは事実である。
 保険会社は契約者から集めたお金をただ保管するわけではない。集めたお金を資産運用して、インフレなどのお金の価値が下がってしまうリスクに対応しているのである。戦後、日本は約45年間ほぼ一貫して右肩上がりの経済成長を続けてきた。このような時代の資産運用は「勝ちっぱなし」の状態になるため、解約時返戻金が払い込んできた保険料を上回るような運営も可能だったわけである。
 しかしバブル崩壊後の不況は「失われた5年」「失われた10年」、今では「失われた20年」ともいわれ、実感がともなう景気上昇の局面がほとんどなかった。デフレはお金の価値が上がるものの、資産運用すると資産の価値は下がりやすく、以前と同じような運用成績を上げられない。このため現在の生命保険は解約時返戻金を少なくしたり、全くなくす掛け捨てタイプの保険が主流となりつつある。

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